カンカン鳴る音

踏切の音が聞こえる日常、雑記。

episode 24

「かわいい」が好きである。私は所謂サブカルと呼ばれるような外見をしていて、ピンクとかレトロとかアイドルとかわかりやすく「女の子」しているものが大好きだ。話は変わらないが恥ずかしながら当然ヴィレッジヴァンガードが好きで、買うわけでもないのに見かけるとついつい入ってしまう。先日公式のフリーペーパーがあるのを初めて知り、レジ前で手に取った。表紙にはデカデカと『女の子カルチャー』と書かれており、人形やぬいぐるみなどガチャガチャとした女の子グッズに溢れた部屋にみうらじゅんが佇んでいる異様な空気感に惹かれた。余談だが私の父はみうらじゅんが好きである。この父にしてこの娘ありと言われるのが夢だ。更に余談だが私の父はミスターポテトヘッドに似ている。あと宮沢賢治。公式フリーペーパーの話に戻る。これは自分に向けられているかと手に取ってそこそこワクワクしながら開いたのだが、その「カワイイ」は少し肌に合わなかった。ヴィレヴァンが得意とするギトギトした「カワイイ」は、私が好きな「かわいい」とは少し違うのかもしれない。決して嫌いでは無いのだけど。そんなことを考えていたら「女の子カルチャー」って何なんだろうと思った。ふと、大学時代の同級生と感覚が合わなかったことを思い出す。私の表現したい世界が拒絶されたこと。世代の特徴か、ジェンダーが前面に出ることを是としないところが少なからずあると思う。だからこそその文化が盛り上がるのではあるだろうが。「女の子カルチャー」がちやほやされるのと同時に「ダサピンク現象」という議論もなされていることに思いを馳せる。「かわいい」と「女の子」の闇は深い。きちんと語れるようになるにはどれぐらい時間がかかるだろうか。ただ現時点で自分がいちばん主体的に興味を持てるのはそこであるように思う。抽象的な言葉で誤魔化すことをせずに、きちんと言葉にしてみたい。