カンカン鳴る音

踏切の音が聞こえる日常、雑記。

episode 57

私の仕事をどれぐらい理解しているかよくわからない父からの誕生日プレゼントに、吉田豪の『聞き出す力』が入っていた。どうしてもそちらに興味があるから、これまでも文章力のアレコレや聞く力はどうこうという本を読むことは多くて、この本もいずれ買うことになっていただろうから、ちょうどよかった。具体的には取材が目白押しの今週に届いたのは本当にタイミングが良かった。私はそもそも就業中に済ませるはずだった取材準備をいそいそと祝日の今日行い、満足した気持ちで本を読み始めた。中身に言及するつもりはないので割愛するが、こういう本を読んでいつも考えるのは、結局『自分のスタイル』をいち早く完成させる必要があるということ。所謂このような本では『誰かのスタイル』を知ることはできて、それはそれで知識として役に立つことなのだろうけど、それが正しいと保証してくれるわけではない。そもそもクリエイティブな作業において、一定のルールやマナーはあっても、絶対の正解が存在することはないのである。その意味で、いろんなスタイルを知っているということは武器になるけれども、一番大事なのは自分自身の力を発揮できる武器、スタイルをきちんと理解して使えるようになっていることなのだと思う。私はまだまだそこが甘い。というか、恐らく自分の持っているものをうまく使いこなせていない実感がある。言葉にするときつくなってしまうのであまり言いたくないのだが、外見、声、仕草、性格、話し方、その他いろいろな私を特徴付ける構成物があるはずだが、それを「初対面の人と接する」という場面において生かすことがほとんどできていない。まだ経験が浅いとか短いとか言われてしまえばそれまでだが、それにしてもやはり悔しいものである。こういうことは考えるよりも行動して、失敗して精度を高めていくしかないのだろう。悩むより動く。好きなことなのだから、もっと上手にやれるはずだ。