カンカン鳴る音

踏切の音が聞こえる日常、雑記。

episode 92

今日は父の日だ。といってもなにか特別な贈り物をするなどといったことはしなかったが、せめて連絡だけでもと思い、メールを送った。
私は自分の父親をとても尊敬している。どこがと言い出すとキリがないのだが、要するに「こういう大人になりたい」という目標が父親なのだ。父はよく本を読む。ラジオもよく聴く。とても物知りで、とても変わった人だ。父親と私のメールのやり取りは基本的に長文になる。お互い言いたいことを言うだけなので、おそらく会話になっていない。でも互いにそれで良いのだと勝手に思っている。だって私の父親なわけだから、ほとんど同じことを考えているだろう。いま思い出したのだが、「人の話を聞け」よく母に言われたけれど、父にそう言われたことはなかった。母としてはやりづらい家族であっただろうと思う。ちなみに私は母親のことも尊敬している。話が逸れたが、父とメールをしているととても泣きたくなるときがある。というか毎度泣きそうになる。父は寡黙な人なので、あまりストレートに愛情を表現されたことはない。ただ不思議と包まれている感じはあって、不満を感じたことはなかった。文章になると、ところどころに父の感情が表れる。おそらく父は口にする言葉で表現するより文章で表現することに長けている人なのだろう。そういうわけで、私は父からのメールに毎度泣けてくるのだ。
来月実家に帰る。父には約1年ぶりに会うことになる。あと何日会えるのだろう。あまり考えないようにしているが、はやく心配をかけない子どもになりたいと思うばかりなのである。